「変化は時に、恐怖を生む。長く培われた仕事のやり方にたとえ問題があったとしても、今までのやり方を捨てるより、変化を避けるほうが楽に思えてしまうことがある」

この話に身に覚えがある方もいらっしゃるでしょう デジタルアセットの要求に応えるためにはプロセスの変革が必要であるということに、今、多くのマーケティングリーダーが気づき始めており、データを活用したプロダクションの方法、アセット提供システムを改善する方法、変化するブリーフとチャネルミックスに対応できるよう最適化する方法が求められています。

デジタルトランスフォーメーションの必要性が高まるにつれて、私たちのお客様からも、変わることへの不安、未知なるものへの恐怖から、変革に二の足を踏んでいるという話をよく聞きます。 Craftのビジネスソリューション担当ディレクターであるJan Ohyeは積極的に変革に取り組んできた人物です。過去5年間にわたり、彼女は40社を超えるクライアントにおいて、大規模な移行およびオンボーディングを実施してきました。新しい仕事のプロセスや方法を構築することで、次のような成果を上げています。

  • プロダクションおよびアセット戦略の一元管理
  • コスト削減によるアセット制作の効率化
  • アジャイルなデジタルアセット制作プロセスの構築によるデジタルトランスフォーメーションの実現

移行を成功させるための秘訣とはどのようなものなのでしょうか。Janに実際の経験を語ってもらいました。以下がその内容です。

  1. 「その場しのぎ」は一貫性がなく不安定。方法論により確実性が高まる。 私たちが行う移行はすべて、確実な方法論に基づいて進められるため、貴重な時間や人材を浪費することなく、最適なオンボーディングアプローチを見出すことができます。私たちが市場でよく目にする「落とし穴」のひとつが、各クライアントに合わせてオンボーディングプロセスを新たに創造するという手法です。新しいシステムには、テスト、失敗、修正、再実装が必要です。検証済みの方法論を採用すれば、失敗の余地をなくすことができます。
  2. 細部に目を向け、すぐに行動する。細部に着目することで大きな学びを得ることができます。すべてに対応することはできないため、分析を行い、考慮すべき細部を見つけ出せるようトレーニングを受けた人材が不可欠です。プロセス全体を軌道にのせたまま、細かな要素に対応するには、テスト済みの信頼できるプロセスや方法論が必要となります。
  3. 分析してから行動する 移行を行う際、その場しのぎでソリューションを導入し、間違った方法で進めたり、結論を急いだりしてしまうと、不適切な基盤の上にプロセスを構築することになってしまいます。 継続的な改善を推進するには、きちんと時間を取って、成功や改善を実現するのにどのようなデータやインサイトが必要なのかを把握しなければなりません。 新しいプロダクションプロセスを構築する前に、考えられるすべてのブランドニーズ、アセットニーズ、ビジネスニーズを評価する必要があるのは、そのためです。最初に時間を取ることで、どのようなツールを使うべきか、どのようにデータを収集すべきか、どのようなレポートがあれば効果を見極め、プロセスを最適化できるのかを理解できます。そうした発見のためにしっかり分析を行わなければ、何のレポートを作成すればいいのかすら見えてきません。
  4. 変更に対する責任をチーム全体に課し、志気を高める 。 チームに変更を強制するという戦略は、絶対にうまくいきません。従業員が全員に、変更がどのようなもので、なぜ必要で、誰が参加するのかを理解してもらうことが極めて重要です。それを行った上で、社内チームを移行に向かわせることが大切です。 クライアントのチームと移行を進める際、私たちはまず、自分たちが何をする会社であり、移行に関する意思決定がどのように実行に移されるのかを丁寧に説明することからスタートし、すべての利害関係者と話し合い、全員が変更に賛成し、支持していることを確認するようにしています。

そして、忘れてはならないのは、移行中は、繰り返し、根気よくコミュニケーションを続ける必要がある、ということです。

前に進むために
デジタルトランスフォーメーションは様々なリスクを伴いますが、なかでも最も悪影響を及ぼす大きなリスクとなるのが、「実行しない」ということです。適切な方法論が見つかれば、あとは各ステップ(発見、テスト、実装)を実行することが、移行を成功させるためには何より大切です。なぜなら移行というのは、突き詰めると結局、新しいやり方で仕事をするという話だからです。 よく考えてしっかり課題に向き合い、変化をチャンスと捉えることができれば、変化に対する恐怖は、イノベーションに対する意欲へと変わる可能性があります。

ご興味があるお客様は、お客様の課題についてお書き添えの上、お気軽にお問い合わせください。お客様のブランドに適したソリューションを提案させていただきます。